ファンダメンタルインデックス普及協会
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ファンダメンタルインデックスならスリッページ問題も生じない

ファンダメンタルインデックスの企業配分を決める4つの要素(売上高・キャッシュフロー・株主資本・配当金)は、全て「総額」で計算します。例えば、通常は配当金の優劣といえば「一株当たりの金額」を基準に考えられます(いわゆる配当利回り)。ジェレミー・シーゲルやジェームズ・オショーネシーがその有効性を説いた「高配当戦略」も、配当利回りを基準にした方法です。

しかし、ファンダメンタルインデックスの配当ウエイトは、一株当たりの金額ではなく、企業が投資家に支払った配当金の総額で決まります。つまり、利回りが低くとも総額が大きくなる大企業のウエイトは多く、利回りが高いが規模が小さい企業のウエイトは小さくなります。そのため、時価総額加重平均と大きく異なる配分とはなりません。

このような方法が取られている理由を、具体的を上げて説明してみます。株式市場が、下記のA・B・Cの三社だけで構成されているとします。このマーケットを時価総額加重平均でウエイトを出すとすれば、A社のウエイトは66.7%、C社は6.7%です。

  株価 発行済株式数 時価総額 一株配当金 配当利回り 配当総額
A社 1000円 1億株 1000億円 10円 1% 10億円
B社 500円 8千万株 400億円 10円 2% 8億円
C社 250円 4千万株 100億円 10円 4% 4億円

このようなマーケットで、もし配当利回りでウエイト付けを行うとすれば、利回りが最大であるC社のウエイトが57.1%と半分を超えます。しかし、時価総額がA社の10分の1しかないような小規模企業のC社に大金を投資すれば、スリッページという別の問題が生じてしまうのです。

スリッページとは、規模の小さな企業に大金を投資する際に生じる、売買スプレッド(価格ロス)のことを指します。例えば、あるファンドが50億円を投資しようと考えているとします。もし配当利回り加重で投資するなら、C社に28.5億円(50億×57.1%)を投資する事になります。しかし、時価総額が100億円しかない企業に、30億円近い買い注文を出せば、株価は大幅に跳ね上がり、このファンドは現在の株価(250円)よりもはるかに高い金額で買付けざるを得なくなります(※注)。

  時価総額加重平均とウエイト 配当利回りとウエイト 配当総額とウエイト
A社 1000億円(66.6%) 1%(14.3%) 10億円(45.4%)
B社 400億円(26.7%) 2%(28.6%) 8億円(36.4%)
C社 100億円(6.7%) 4%(57.1% 4億円(18.2%

このように、計算上は有効な投資戦略だとしても、実際に投資する場合にはスリッページのロスも考慮せねばならず、時価総額の小さい企業に大金を投じる事は難しいのです。

そのため、ファンダメンタルインデックスのウエイトは、配当利回りではなく、企業の支払う配当総額で決定しています。この方法だと、50億円のファンドがC社に投じる金額は9.1億円(50億×18.2%)と先ほどのケースの3分の1ほどとなり、スリッページの発生を大きく抑制できます。一方で、時価総額加重平均では66.6%も占めていたA社のウエイトも、45.4%まで抑えられるので、高配当戦略の有効性も保てます。

ファンダメンタルインデックスでは「一株当たりの数値」ではなく「総額」の数値で配分を決める事で、時価総額加重平均の抱えるマイナス効果を抑えつつ、小型株投資で発生するスリッページも抑える、バランスの取れた方法を採用しています。こうすることで、机上の空論ではなく、数千億円単位の大金を投資できる現実的な戦略となり、投資信託やETFが安心して運用できる方法となっているのです。

※注;計算上、C社の株価は約321円になるので、ファンドの平均買付単価は286円程度となります。しかし、これは計算上の話であり、現実には小企業に大量の買い注文が入れば、株価は一時的なバブル状態になるので、実際の平均買付単価は更に高くなる(ファンドの損害が大きくなる)はずです。

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売上高
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株主資本
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