ファンダメンタルインデックス普及協会 | ||||||
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等ウエイトインデックスでも時価総額加重を上回るが・・・時価総額加重平均には、過大評価の企業を多く保有してしまうという欠点があり、それがパフォーマンスを劣化させる原因となります。その証明として、非常に面白い例があります。S&P500指数の企業を等しく保有する指数「S&P Equal Weight Index 」のリターンが、時価総額加重である本来のS&P500指数を上回るというデータです。 この手法は、文字通りS&P500指数の組み入れ企業500社を、全く同じ割合〜つまり各企業とも1/500(0.2%)ずつ組み入れるものであり、日本語では等ウエイトインデックス、あるいは均等加重インデックスと呼ばれます。通常のS&P500指数は時価総額加重なので、ウォルマートやマイクロソフトやエクソンモービルなど、巨大企業のウエイトは2%以上ある一方で、時価総額が小さい企業は組入比率が0.1%未満しかありません。 では実際に、両者でどの程度の利回りの差が出るのでしょうか? S&P500指数を等ウエイトで保有するETF「Rydex S&P 500 Equal Weight (RSP)」と、通常のS&P500指数のETF「SPDR S&P 500 (SPY)」との比較チャートです(米Yahooファイナンス)。RSPが上場した2003年5月から現在(11年12月)までの比較で、等ウエイトであるRSPは+76.7%、一方のSPYは+31.6%ですから、利回りには倍以上の差が付いています! この両者は、組み入れ企業については500社とも全く同じです。ということは、このように両者のリターンに差が付くのは、組み入れ比率の違いしか理由はありえないのです。つまり、ウォルマートやエクソンモービルなどの巨大企業の利回りが低く、時価総額の低い名も無き企業の方が相対的に利回りが高いことになります。 均等加重の問題点〜小型株の売買スプレッドが大きい但し等ウエイトインデックスには、大きな問題点を抱えています。それは、時価総額の低い小型株にも多くの資金が投じられる為、売買スプレッド(スリッページ)が多く発生してしまうことです。時価総額3000億ドル超のウォルマートに1億ドルを投じても問題ないですが、時価総額が10億ドルしかない小型企業に1億ドルを投じようとすれば、株価が跳ね上がって割高な値段で買わざるを得なくなります。これは、運用額が大きくなったファンド・ETFが抱える、解決できない問題です。 端的に言えば、等ウエイトインデックスのリターンが時価総額加重平均を上回るというのは、あくまで机上の計算での話です。実際に巨大なファンドでこの手法を用いるのは、売買スプレッドがあるので現実的ではないのです。上記で紹介した「Rydex S&P 500 Equal Weight (RSP)」も、ETF自体の時価総額が27億ドル程度(SPYの約30分の1)ですから、等ウエイトが可能なのです。等ウエイトインデックスのETFが、時価総額インデックスに代わって指標の主流となることは、現実問題として不可能なのです。 ですから、時価総額加重平均の問題点を解消するには、実践してもロスが生じない手法が必要なのです。 その点、ファンダメンタルインデックスでは、このような理想と現実の乖離は起こりません。ファンダメンタルインデックスは、売上高や株主資本やキャッシュフローなどの「総額」で見るため、規模の大きな企業ほどウエイト付けが大きくなります。そうすることで、売買スプレッドが大きくなる小型企業の割合は少なくなります。そのうえ、時価総額加重平均のように「収益力の裏付けのない過大評価な企業」を排除できるため、高い利回りを生むことが可能なのです。⇒スリッページ問題も生じない
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